「提携カード」とは、クレジットカード会社とメーカーや販売会社、複合商業施設などの企業が提携して発行しているカードのことです。デパートとの提携や有名ブランドショップとの提樵ばかりではなく、ファンクラブ、フィットネスクラブ、大学、ホテル、航空会社、石油元売会社、パソコンショップなど提携先は多岐にわたります。
最近話題になっている提携カードとして、貯めたマイレージを無料航空券と引き換えできるマイレージ機能付きのエアラインとの提携カードが着実に伸びています。
たとえば、株式会社日本航空と銀行系(DCカード/JCBカード/ダイナースカード)との提携である「JALカード」や、全日空と銀行系(三井住友カード/JCBカード/ダイナースカード)との提携である「ANAカード」などです。
では、提携カードのしくみを、日本航空と銀行系カード(三菱UFJニコス株式会社)との提携である「JAL CLUB-Aカード」を例にみてみましょう(下図)。


まず、カードの裏面にある「三菱UFJニコス株式会社」は国内でクレジットカードを発行している企業名を示しています。国際ブランドのルールによれば、少なくともローカル・アクセプタンスマーク(いわゆる国内のクレジットカード会社が長年にわたって育ててきた自社ロゴマーク)は、カードの表面からはずさなければならないというルールがあり、カード発行会社のロゴマークは表面には印字されないようになってきています。
次に、カード中央上(表面)の「JAL CARD」という文字が提携先の名称です。ここには企業名やショップ名が入ることになります。
さらに、右側のマークである「MasterCard」は、国際カードブランドであり、このマークのステッカーが貼ってある国内外のクレジットカード加盟店で、このカードを利用することができるという、国際決済ネットワークのインフラを意味しています。カード会員の立場からすれば、「MasterCard」のマーク一つで、安心して、世界中の加盟店で使えるクレジットカードをもつことができることになります。
そもそも提携カードが急増してきた理由は、カード会員の獲得に悩む銀行系カード会社や流通系カード会社、メーカー系カード会社が、当時、急成長を続けていた信販会社のカード会員の伸びに着目して、提携カード戦略を模倣しはじめたことがあげられます。
つまり、人とカネの集まるところが、提携先として今後も重要なターゲットとなるのでしょう。